無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

「ひ、柊木くん……」

「あの、これはね……」



善が制服のYシャツを着ていて、とりあえず上半身裸じゃないことに一安心した。

予想外の展開に、なんとかごまかそうとする女の子たち。
さっきまでの私に対する低い声とは違い、猫なで声でしゃべる。



「柊木くんが、バカにされるのが悔しくて……」

「俺が? なんで?」

「その、柊木くんの彼女はかわいい子がお似合いかなって思って……」

「うん。だからかわいい子を彼女にしてるんだけど」

「……え?」

「そもそも、俺がバカにされるのが悔しいってなに様なの。俺のことは俺が決めるから、勝手に悔しがらないで」

「……ごめん、なさい」



善が冷たく言い放つと、女の子たちはそれ以上なにも言えなくなってしまった。
「じゃあ、私たちはこれで……」と、なにごともなかったかのように、あまりにもあっさりとその場から去ろうとする3人。



「待って」

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