無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「なにやってんだよ……」とめんどくさそうに言いながらも、コップを目の前に差し出してくれる柊木善。
もらったお茶を飲んだら落ちついてきた。
……さりげない優しさが、柊木善の好感度を自然と上げる。
「ほんと、ありがとう……おかげで助かった」
「一気に食べるからだろ」
ごもっともすぎてぐうの音もない。
「あとさ……」
「え?」
「口についてるよ」
なんで柊木善と2人で食べるときに限ってミートソースなんて作っちゃったんだろう……。
私はティッシュで口の横を拭く。
「まだついてる」
「ど、どこらへん?」
「そこじゃない。左」
私は自分から見て左の口横を拭く。
「反対。俺から見て左」
「普通私から見た場合で言わない?」
「めんどい」
めんどいって……。
ていうか、全然どこについてるかわかんないよ。