無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

なんでなんでって、なんで星人ですか。
幼稚園児ですか?



「凛李の魅力は俺が1番知ってる」

「……そう、だよね」

「近くで見たらこんなにきれいで、鼻も高くてキスしたくなる唇なのに」

「わ、わかったよ……」

「ツルツルの肌にサラサラなくせのない髪の毛、俺は常に触りたくてたまらないっていうのにーー」

「も、もういいよ! わかったから! これ以上は恥ずかしいからやめて……っ」



ニヤニヤしながら顔をのぞいてくる善。



「いつもはデレデレしない凛李がこういうときに女の子らしくなると、むちゃくちゃそそられる」

「そそっ……⁉︎」

「あー……ってことは、凛李の魅力は俺しか知らなくていいってことだね」

「……ん?」

「凛李のかわいい部分は、俺が独り占めする」



いたずらっ子のような笑顔を向けてくる善に、私はやっぱり太刀打ちできない……。
どうしたって善といると、私は普通の恋する女の子になってしまうんだ。
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