無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
ーーと、思ったのも束の間。
気づいたらうつ伏せの体勢になっていた私。
そんな私の白いロングTシャツの中にゆっくりと善の手が侵入してきた。
背筋を撫でるように触ってきたため、再びくすぐったさが勝ってしまい、私は不覚にも「ひゃ……っ」と声を出してしまった。
「ど、どこに手入れてるの……っ」
「だめだった?」
善はそう言って私の髪の毛を横へずらし、今度はうなじにチュッと音を立ててキスをした。
今までにない感覚に襲われ、私はベッドのシーツをつかむ。
「背中にもしていい?」
「……せ、背中?」
「うん。したくなっちゃった」
善が私の耳元でかすれた声でささやく。
全神経が耳に集中しているのがわかるし、この一瞬で耳が熱くなったと思う。
なんだろう……。
このあらがえない空気は。
いやなはずなのに、いやじゃない。
そう感じている自分が、自分じゃないようで怖い。