無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
……なっ、なに……⁉︎
こっちを見ていないのがわかれば見つめられるけど、いざ善と目が合うと恥ずかしくて顔をジッと見れない。
私は瞬時に自分の足へと視線を移した。
「さすがにこれ以上は先に進めないのわかってるから。だけど、体は正直なわけで……。とにかく、凛李のために理性を保ってるんだよ」
「……なんの、話?」
本気で善の言ってる意味がわからないからそう聞いたのに、善は深くため息をついたあと、私の肩に手を置いてきた。
「むしろわからなくていいや。うん。じゃあ、お風呂いってらっしゃい」
「……う、うん。行ってくるね……」
半ば強制的にこの話を終わりにされ、私は仕方なく善の部屋から出てお風呂に入ることにした。
これ以上先に進めない?
だけど体は正直?
私のために善は理性を保ってる……?
どの言葉も読み解くことができない。
それに、お風呂に入ろうとした私を引き止めたのは善なのに、結局私のことを部屋から追い出した。