無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
気になりすぎてお風呂の中でもそのことについてずーっと考えていた。
お風呂から出て、自分の部屋へ入ろうとした瞬間ーーちょうどとなりの部屋から瑠月が出てきた。
「あ、ついにみんなに付き合ってること話したんだね〜」
「善の親に会ったの?」
「うん。ちょっと前まで刀夜と電話してたから、それが終わってさっきまで話してた! かわいい〜モデルさんかなにかだと思った〜って言われちゃった」
「ちょっと、瑠月に聞きたいことあるの」
「え⁉︎ ちょ、凛李……⁉︎」
私は瑠月のいつもの自慢話を軽快に聞き流し、瑠月の部屋へと無理やり入り込んだ。
ソファの前にあるテーブルを囲んで向かい合って座り、さっそく私は本題に入ることにした。
「あのね、真剣な相談だから笑わないで聞いて」
「わ、わかった……」
「その……あの……」
刀夜くんと付き合ってる瑠月なら、善のさっきの発言と行動の意味がわかるかなと思って聞いてみようと思ったんだけど、いざとなるとどうやって話せばいいのかわからない。