無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

親子の本音


善の両親が帰国してから3日が経った。
やっぱり息子と過ごすのはうれしいようで、善の両親は終始笑っていた。
善も普段は自分の部屋にいることが多いけど、このときはリビングにいる時間のほうが長かったように思う。



ーーそんなある日の夕食の時間。

私の両親はミュージカルを鑑賞しに出かけていたので不在で、私と善と瑠月、善の両親の5人でお寿司の出前をとってテーブルで食べていた。

8人で食べることができるガラスのダイニングテーブルに、瑠月、私、善の順で座り、その向かい側に私の前に善のお母さん、善の前に善のお父さんが座った。

他愛もない会話をし、善のお母さんは特に家族3人そろって食べることを心から喜んでいるようだった。



「……なぁ、高校を卒業したらいっしょに住まないか?」



口数が多いほうではない善のお父さんがそう口を開いたのは、お寿司を食べ始めて10分ほどが経ったときだった。

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