無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
ーー結局というものの、善の両親はアメリカへ戻る日にちを延期することにした。
理由はもちろん、善。
お父さん自身が善がアメリカに来ない理由を納得するまでは帰らないと決めたそうだ。
仕事は比較的この時期は落ちついているので、リモートで仕事をするらしい。
春休みはあっという間に終わり、私たちは3年生になった。
2年生と3年生はクラス替えがないため、教室の位置が変わるだけでクラスも担任の先生も変わらない。
ーー1つだけ、大きく変わったことがある。
春休み前は私と善が付き合ってることをよく思わない子たちに呼び出されたり、いやがらせをされていたけど、それが一切なくなった。
いっしょに登校したり、廊下を並んで歩いたりしても、前まで聞こえていた私への悪口はまったく聞こえなくなった。
もちろん、私がいないときは女の子たちに囲まれていることがあるけど、それも以前よりは少なくなった気がする。
学校にいる間に私と善が全然いっしょにいないからか、時々「付き合ってないんじゃないの?」という声を聞くことはあった。
そもそも、私も善も人前でイチャイチャできるようなタイプではないので、そう思われてしまうのは仕方のないことだなと諦めている。
だって、私たちのペースで付き合っていくことが大切なんだもの。