無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

春休みが明けて1週間……。


結局のところ善も善のお父さんも自分から話すタイプではないため、話し合いが行われることはなかった。
いっしょにご飯を食べることはあっても、2人は直接しゃべらない。

そして、今日は金曜日。

善のお父さんがアメリカのワードを出しても、善は無反応。
それに対して久しぶりに善のお父さんが「なにか言ったらどうなんだ」と圧力全開で詰めよると……善は「ごちそうさまでした」と、そそくさとご飯を食べて自分の部屋に戻ってしまった。

次の日は土曜日で塾もないため、私は朝から部屋で受験勉強にはげんでいた。

善は朝の10時から夕方の5時までバイト。
瑠月は刀夜くんとデート。
お父さんとお母さんは親戚の家へ。
善のお母さんは友達とランチ。


ーーそのため、必然的に家には私と善のお父さんしかいなかった。

11時半ごろ、休憩も兼ねて飲み物を飲もうとキッチンへ来ると、ダイニングテーブルで1人でコーヒーを飲みながら本を読んでいる善のお父さんがいた。

< 328 / 390 >

この作品をシェア

pagetop