無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「善も、お父さんの気持ちを理解してるはずです。きっとひとり立ちしたいのも、お父さんに1人の人間として認めてもらいたいからだと思いますよ」
「……そうか、それならいいんだけどな。また、時間ができたら少し善と話してみようと思うよ」
「私からも、少し善に話してみますね」
「すごく助かるよ。本当にいろいろありがとう」
話していたらあっという間に家に着き、私はまた勉強の続きを始めた。
数時間経つと、バイトから善が帰ってきたのがわかり……私は善の部屋へと入った。
「今、ちょっといい?」
「うん」
「今日はいきなりごめんね……」
部屋の扉を閉め、ベッドに横になる善を私はそこから見つめる。
「父さんが行きたいって?」
「そう。善の働く姿を見たいって……。お父さん、すごく感心してたよ」