無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

夜ごはんの時間には全員が帰ってきていて、みんなで夜ごはんを食べることができた。
他愛も話をして、それぞれごはんを食べ終わっていく。

善が1番早く食べ終わり、食器をキッチンへと運ぶ。
そのままいつもならリビングを出て部屋に戻るのだがーー。



「善、このあと少し話さないか」



まだごはんを食べている善のお父さんが善のことを呼び止めた。
善は足を止め、「わかった。部屋に来て」とだけ言って、リビングを後にした。

私はもう踏み入れることはできない。
善と善のお父さんだけの空間。
……だからこそ、1人で部屋でどうなったのか気になって仕方なかった。

善から話を聞くために起きてようとがんばったものの、朝早くから勉強をしていたこともあり、急激に睡魔が襲ってきた。

結局、睡魔に勝つことができず……次に目を覚ましたときにはカーテンから日が差し込んでいた。

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