無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
気持ちよく寝てしまった……。
後悔にさいなまれながらも起きあがろうとしたそのときーー。
「うわっ……!」
「おはよ」
顔を横に向けたらすぐそこには善の整った顔があり、私はおどろきのあまり大きな声を出してしまった。
善はそんな私を見てうれしそうに笑う。
「ど、ど、どうしたの……」
「会いたくて」
「……会いたくてって、昨日も会ってるじゃない……」
「それじゃ足りない」
「……そ、そうなんだ」
朝からはかなりヘビーな甘い言葉を次から次へと浴びせてくるあざとさ100%の善。
私も会いたかったし、もっといっしょにいたいっていつも思ってる。
善の気持ちといっしょだ。
……だけど、恥ずかしくてそんなこと言えそうにないので、私は必死にニヤけるのを我慢する。
「お父さんと話したんでしょ? どう、だった……?」
寝起きの目が腫れてる顔を見られたくなくて、私は布団で顔を半分隠した。