無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
誰にも見せたくないんだよ
夏休みの約半分が過ぎたころーー。
かれこれ1時間ほど、リビングで瑠月と一緒に宿題をやっている。
「ねぇ、凛李さぁ、夏休みどこかでかけた?」
「ううん。暑いの嫌いだからでかけてない」
「次の土曜日に刀夜たちとプールに行くことになったから、凛李も一緒に行こうよ」
瑠月からの突然の誘いに、私は口を開けて固まるしかなかった。
「プールってことは、水着でしょ……?」
「当たり前じゃん。プール行って私服で遊んでる人なんて見たことないでしょ」
「うーん……」
「柊木くんも来るんだって」
善も……?
あれから善と呼ぶのを心がけているうちに、今では善と呼ぶのにも慣れてきた。
善も来るなら……って、私ってばなにを考えてるの⁉︎
「たまには高校生らしくはっちゃけないと!あっという間に10代が終わっちゃうよ?」
「……でも、水着持ってないし……」
「なら一緒に買いに行こうよ!」
「私、どんなのがいいかわからないから……瑠月が水着選んでくれる?」
「もちろんっ。じゃあ、決まりね〜」