無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
優しくベッドに押し倒された私は、善に再び唇をふさがれ……今度はすぐに舌が入ってきた。
数回しかしたことのない大人のキスに必死についていく。
キスをしている最中も私の右手は善の左手と恋人つなぎをしていて、顔の横で押さえられていた。
自由な左手は結局激しいキスに応えるために、善にしがみつくしかなくて、善のTシャツにシワができるほど強くつかんでいた。
「……っ」
息をするのにやっとで、目の前に大好きな人がいるのにジッと見ることもできない。
……そして、善が握っていた手をほどいて、今度は私の腰のあたりを触ってきた。
しかし、このとき私はキスにしか集中していなかったため、あまりよくわかっていなかったのが正直な話。
だけど、その手は自然に私の着ているTシャツの中に入ってきて私の素肌をなぞった。
「……んんっ」
くすぐったいような、前に背中を触られたときよような感覚がまた襲ってきて思わず声が漏れてしまう。