無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
もう途中で止めないよ
私がこうして前へと進めたのだから、私も誰かの背中を押せる存在になりたい。
心理学について深く学べ、自分の偏差値に合った大学を見つけたので、そこを一般受験することにした。
家から5駅ほど離れてはいるが、それほど遠くないので通うにもちょうどよさそうだ。
お母さんとお父さん、そして先生からも「いいと思うよ」と言われたので、あとは受かるために勉強をがんばるだけだ。
善もその日に面談で、私のお母さんが代わりに行っていた。
時間がちょうど私が終わってからだったので、私も待つことにした。
10分ほどで3者面談が終わり、教室からお母さんと善が出てきた。
なんだか深刻そうな顔をしていて、私は違和感を感じた。
「詳しくはお父さんたちにも電話してみる?」
「そうですね。父さんには俺から話してみます」
「わかったわ」
なんの話かはわからないけど、善の進路についてなにか進展があったようだ。