無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
ということで、私は小学校低学年以来のプールへ行くことになった。
次の日に駅近のショッピングモールの中のお店で瑠月と一緒に水着を選び、ビキニタイプの水着はハードルが高かったのでワンピースのものにした。
そして、当日ーー。
普段はメイクなんて眉毛を描く程度の私。
しかし、せっかくみんなで遊ぶんだからと、先に支度を終えた瑠月が私の部屋に来て私にメイクをしてくれた。
ナチュラルに見えるように、マスカラをつけてホットビューラーでまつ毛を上げ、ブラウンのアイシャドウと、オレンジ系のチークを塗ってくれた。
唇にはローズピンクという少しくすんだピンク色のリップ。
……鏡に写るのが自分だとは思えないほどの変身ぶりに驚きを隠せなかった。
支度が終わり、私と瑠月がリビングへ行くと……善がソファに座って待っていた。
「柊木くんおまたせ〜!そろそろ行こっか」