無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
本当に悪気はなかった。
善のことを考えて出た言葉たちだった。
だけど、逆それが善を傷つけてしまった。
夢のことばかり押しつけて、私たちのことをまったく考えていなかった。
……でも、果たして離れていたら関係を続けることは難しいのだろうか。
本当に想いあっている2人なら大丈夫な気もする。
そりゃあ、私も善と離れ離れになってしまうと考えただけでさみしい。
さみしいけど、善の夢のためだと思えばがんばれる気がする。
そんなこんなで時間だけは過ぎていき……結局、私と善は夏休みまでまともに話もできず仲直りできなかった。
……そして、タイミングがいいのか悪いのか、夏休み初日の夜、善の両親から電話があった。
2週間だけアメリカに来ないかという誘いだった。
もちろん善1人。
私は夏期講習があるため、誘われたけど泣く泣く断念した。