無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
もうタイミングなんて関係ない。
話したいのが今なんだから、今話してしまおう……。
そう思った私は、善の両手を強く握った。
「この前は本当にごめんなさい。善の気持ちも考えず、自分勝手なことを話しちゃって……」
「あれは俺のことを思って言ってくれたんだってわかってるよ。それなのに、俺もムキになって怒って……悪かったと思ってる」
「私ね、この離れ離れだったときすごくつらくて……善がいない生活はこんなにつまらないんだってやっとわかったの」
「そんなに?」
「うん。勉強もはかどらなかった」
「俺もだよ。向こうで凛李のことばかり考えてた」
「私も善のことばかり考えてた。ごはんものどを通らなかったの」
「それでこんなに痩せてるんだ」
善はそう言って私の腰をつかむように触ってきた。
私は無意識で体が反応してピクッと動いてしまった。
「あ、ごめん……」
そんな私を見て、すぐに私から手を離して距離をとる善。