無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
そうだった。
善はいつだって私のことを1番に考えてくれる優しい人だった。
……私は、善が離れた分近づいた。
2人の腕が触れるほど近くに。
「離れてわかったことがもう1つあるの」
「……うん」
「抱きしめてもらったり、キスをしたりするときにすごく愛されてるって感じれたんだなって思ったの。私の善に対する気持ちはたぶん言葉だけじゃ伝えきれてないなって」
「……」
「この約2週間、すごく触れたかった。善に大好きだって伝えたいけど、言葉だけじゃ足りないんだって気づいた」
「……」
「だから、もう遠慮しなくてもいいよ……」
頭から火を吹くかと思った。
そのくらい自分が恥ずかしいことを言ってるのはわかっている。
それでも伝えたかった理由は……善と先へと進みたかったから。
善となら、先に進めると思ったから。
すごく勇気を振り絞って話したのに、善は「はぁー……」と長いため息をついたあと、ベッドに背中から倒れ込んだ。