無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

今さらって思った……⁉︎
こんなこと言われても、もう遅いよってこと……⁉︎

どんな意図が含まれた行動なのかまったくわからなくて、とっさに寝転んだ善を凝視した。



「なんでその話今すんの……」

「……しちゃだめだった……？」

「だめ。本当に今はだめ」

「だって、善が離れるから……」

「それはこの前凛李を怖がらせたから」

「この前は未知の世界だから不安だったの……。でも、今はもう大丈夫だよ」



怖がってないよ、と伝えるつもりで笑顔を作ったら……善が今度は起き上がって、私のすぐそばに手をついた。
善の体重でベッドがきしむ音がした。



「さっき、遠慮しなくていいって言ったよね」

「……う、うん」

「それに今はもう大丈夫だって言ったよね」

「言った」

「もう怖がらせたくないからはっきり確認とるけど、この前よりも先のことしてもいいってこと？」



善の香水の匂いせいなのか、熱を帯びたきれいな瞳のせいなのか……無性に善を抱きしめたくて仕方がない。