無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

瑠月のその声に、こちらを振り向く善と私の目が合う。

……メイクしてるの気づいてくれたのかな。

そう思うも、なにも言ってくれない。

メイクとか人の変化には疎そうだもんね……仕方ないか。


瑠月に続いて私もリビングを出ようとしたそのとき……。

善が私の耳元に向かって、「メイク、似合ってる」とささやきそのまま私を追い抜いた。



「凛李どうしたの?早く行くよ〜」



瑠月のその声で私は我に帰り、急いで2人の元へ向かった。



刀夜くんたちとは駅で待ち合わせをしている。

駅に着くと、刀夜くんと、いつも一緒にいる友達の一条 雪(いちじょう ゆき)くん、日下部 爽馬(くさかべ そうま)くんがすでにいた。

2駅移動し、そこからバスを15分ほど乗ったところでようやくプールに着いた。


チケットを購入して入場し、男女で別れてさっそく更衣室で各々着替え始めることに。

水着を入れたストライプのポーチを開けるてみると……見たことのない水着が入っていた。

紺色のビキニに、パンツにはヒラヒラがついている。

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