無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「……っ」
私は手で胸をガードしたまま、善の唇にキスをした。
「この手はどこに置けばいい……?」
胸から手を離したとして、どうするべきなのかわからない。
正解なんてないのは知っているけど、先に書いておいたほうが安心だ。
「俺の首に回して」
「……うん」
私は言われたとおりに善の首に両腕を回した。
その瞬間、私の胸を隠すものはなにもなくなった。
「このあとも、俺にしがみついてていいから」
「わかった……」
ーーそして、再開する甘い時間。
どんなことをされて、私がどうなったのかは……とてもじゃないけど言えない。
絶対に誰にも言えない。
17年間生きてきて、見たことのない自分を見ることになんて思ってもみなかった。
いったい私は誰なの? と錯覚するほど……私は別人だった。
……そして、なにより最後まで幸せだった。
善はずっと「凛李、好きだよ」と、耳元でささやきながら動いていた。