無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
私の親友の紀衣ちゃんは看護師になることが夢なので、4年制の看護科がある大学に通う。
紀衣ちゃんも一般受験だったので、昨日の合格発表は2人でドキドキしていた。
紀衣ちゃんから喜びの電話があり、自分のようにうれしかった。
……そして私には、大学に受かり、高校を卒業をしたら絶対にやりたいと思っていたことが1つだけある。
それをするためにお母さんとお父さんに相談したところ、快くOKしてくれた。
卒業式が終わり、私は善といっしょに帰っていた。
もうこうしていっしょに学校から帰ることはない。
帰りのホームルームが終わると、善が必ず私の教室まで迎えにきてくれた。
手をつないで、電車に乗って、帰る家はいっしょなのに帰りたくなくて何回か公園に寄ったこともあった。
制服を着てこの道を歩くことはないんだ……。
そう思うと、感慨深くて……鼻の奥がツンとした。
無事に帰宅し、いつものようにお互いの部屋に向かう。