無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

「善、あのね、渡したいものがあるから、あとで部屋に来てくれる?」

「わかった」



善はわりとすぐに私の部屋にやってきた。
……しかし、入ってきた瞬間気づいてしまった。
善が小さな白の紙袋を持っているということに。



「俺も渡したいものがある」



善はその紙袋を私の前に差し出す。

私はそれを受け取り、状況をあまり把握できないままその紙袋の中を除いた。
そこには小さな四角い箱が入っていた。

その箱をゆっくりと開けると……中にはシルバーの小さい月がポイントとなっているネックレスが姿を表した。



「大学、合格おめでとう。合格祝いということで、買ってみました」

「あ、ありがとう。すごくかわいい」

「凛李はシンプルな格好が多いから、これなら合うかなと思って」

「うれしい……っ、これからたくさんつけるね」

「ちなみにおそろいだから」

「えっ⁉︎ おそろいなの?」

「やだった?」



私は全力で首を横に振る。

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