無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「瑠月、ちょっといいかなぁ……」
隣の個室で着替えている瑠月にそう声をかけると、「凛李、どうしたのー?」と個室の外から着替え終わったらしい瑠月の声が聞こえた。
「ねぇ、もしかしてこの水着って瑠月の?」
私は扉の上から水着を見せる。
「えっ、私のだ!なんで凛李が持ってるの⁉︎」
「それはこっちのセリフだよ。私のポーチになんで瑠月の水着が入ってるのよ」
「ポーチって、もしかしてストライプ柄……?」
「そうだけど……」
「それ私のポーチだ」
どうやら瑠月も同じポーチを持っていたらしく、たまたまプールの支度を瑠月の部屋でやっていたため、そのときに私が間違えて瑠月のを持ってきてしまったようだ。
聞いてみたら、2つの水着で迷っていて、その1つを私が間違えて持ってきてしまったらしい。
瑠月はもう1つの水着を着ているから問題はなく、私が買った水着は案の定家にあるということになる。
「さすがにこんなの着れないよ……」
「全然大丈夫だよ!瑠月より凛李のほうがスタイルいいんだから似合うって!」
「そんなことないし、そもそもこんな露出高いのなんて……」
「はいはい!みんな待ってるんだからさっさと着替えてきてくださーい」