無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

だけど、善のそばにいると不思議と前向きな気持ちになっていって、私という人間がすごく明るくなった。

もちろん、誰かと付き合うということは想像していたよりも悩みも多いし辛いこともある。
それでも、善がいたから乗り越えられた。

……そして、想像していたよりも楽しいことが増えて、たくさん"今、幸せ"だと思えるようになった。



「凛李は元々かわいかったけど、俺と付き合うようになってから毎日かわいくなってく」

「急になに言って……」

「いつも思ってること言っただけ」



善はネックレスを箱から取り出し、私の首につける。
キスされるのかと思うくらい顔が近くて、思わず息を止めた。



「うん、似合っててかわいい」

「善といるとずっとドキドキして早く死んじゃう気がする」

「なんで?」

「哺乳類の一生の心拍数の数は15億回って決まってるらしいの。だから、私は人よりも心拍数が多いから早く死んでしまいそうだなぁって」

「それはいやだから、ドキドキしないで」

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