無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
善はそう言うくせに、口角を上げながら私の髪の毛を指に絡めて触ってくる。
あぁ……また鼓動が速くなった。
「だから、こういうことされるとドキドキするんだってばっ」
「あ、そうなの?」
もはや、とぼけた顔すら愛おしい。
「でも、それがもし本当なら俺も早く死んじゃうと思う」
「なんで?」
「凛李にいつもドキドキさせられてるから」
善は指で私のあごを上げて、鼻先が当たりそうなほど顔を近づけてきた。
そして、そのまま唇が重なり……私たちは角度を変えて何度もキスをした。
私の呼吸が乱れてきたタイミングでようやく唇が離れた。
「早くおそろいのピアスしたい」
箱に入ったピアスを眺める善。
「善はつけられるんだからつけたら?」
「凛李といっしょにつけるよ」
「待っててくれるの?」
「俺だけつけてても意味ないじゃん。それに、2人だけのヒミツって感じでいい」