無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「あとで脱ごうかなって……」
「そうなんだ」
しかし、会話はそれで終了。
いつものことだけど、善は本当になにを考えてるのかわからない。
ーーさっそく、最初にみんなで波のプールへ行くことに。
近くの空いているスペースにレジャーシートを敷き、3人用のテントを組み立てた。
どれも刀夜くんが持ってきてくれたらしい。
洋服を着たままプールには入れないため、私はとりあえず1人でそこで待っていると言い張った。
男の子たちはすでにプールの中へ行って浮き輪に浮かんだり泳いだりして楽しんでいる。
とにかく脱ぎたくなくて渋った……のだが。
「凛李もせっかくだから来て〜っ!」
私の腕を瑠月が強引にプールのほうへと引っ張る。
瑠月に頼まれると断りにくいなぁ……。
……でも、今回のプールはなんて言ったって瑠月が私を誘ってくれたんだもんね。
そもそも私の水着姿を見る人なんていないかーー。
自意識過剰だったのかも。
どうせなら楽しまなくちゃ……ね。
私は思い切ってパーカーを脱ぎ、瑠月とみんなが待つところへと向かった。