無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
3人は楽しそうにやりとりをして、それから投げ飛ばしたり水をかけたりして遊び出した。
私を心配してくれたってことかな……。
そう思い、なんだか心の奥が温かくなる。
……なんだろ、この気持ちは……。
ーー私はボーッとそのまま波にのり、気づいたら端のほうに流されてきてしまった。
瑠月刀夜くんカップルも、善たちも遠くに見える。
……そんな中、見ず知らずの男の子たちに浮き輪が当たってしまった。
「ごめんなさい……っ」
私が謝ると強面なお兄さんが振り返り、私の顔をまじまじと見てきた。
「あっれー?お姉さん1人なの?」と、ニヤニヤしながら近づいてくる。
恐らくその人の友達であろう体格のいい人が隣にいる。
「いや、友達と来てて……」
「へぇー、その友達どこにいるの?」
「えっと、あっちのほうに……」