無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
指をさすものの、人が多くなってきたことにより見失ってしまった。
「じゃあ、友達が見つかるまででもいいから俺らと遊ぼ」
そう言って強面な人と体格のいい人が私の浮き輪をつかむ。
まったく素性がわからないこの人たちと遊ぶなんて、そんなのありえないでしょ!
「ごめんなさい。他の人でも誘ってください」
「君がいいんだよね〜」
「離してください!」
私が叫んでも、聞く耳を持たずにさらに奥のほうへと進んでいく強面たち。
もう私は足がプールの底につかなくなり、自力ではどうにもできなくなってしまった。
これから私はどうなるの……?
気持ち悪い……っ。
そう思っていた次の瞬間ーー。
目の前にいた2人が水しぶきを上げてゆっくりと下に沈んでいった。
……え……?
なにが起こったの……?
私は状況が把握できず、その場で浮かんでいると……今度は水の中から善が現れた。