無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
つまりそれって……私にはこの水着が似合わないって言われてるようなものだよね?
私には地味なものがよく似合う。
……私だって、この水着を着たくて着たわけじゃないのに。
瑠月が着たらもっとかわいく着こなせるんだろうなぁーー。
いつもならこんな卑屈なこと考えないのに、善の言葉で胸の奥までズキンとする。
さらに追い討ちをかけるように、善はため息をつく。
ため息をつかれるほど……⁉︎
そこまで似合ってない……⁉︎
自分でもたしかにこの水着は無理があるなと思ってたけど、ため息をつかれるほど善に迷惑をかけた覚えはない。
「……そんなにこの水着だめ?」
「だめだね」
勢いよく飛んできた矢が私の心にグサッと刺さる。
「周りの男がどれだけ凛李のこと見てると思ってんの」
「え……?」
「さっきだって雪と爽馬が凛李の水着姿見て、「かわいくない⁉︎」「狙っちゃおうかな〜」って言ってた」
「……一条くんと日下部くんが?私のことを?」