無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
……恋をしたくないこんな私にも、過去にいいなぁと思う人が1人だけいた。
それは小学校6年生のときに同じクラスだった男の子。
その子はクラスの中心にいて運動神経も良くて友達も多くて勉強もできる完璧な人だった。
だけど、ある日その人が陰で私の悪口を言っているのをたまたま聞いてしまった。
それからは、男の子を好きになるのが怖くなってしまい……私は勉強に生きると決めた。
もう誰かに自分の感情を振り回されたくない。
私はきっとこのまま地味な見た目で地味な人生を歩んでいくんだろうな。
疑いもなく……そう思っていた。
高校2年生になってから2ヶ月が過ぎ、新しいクラスにも慣れてきたころーー。
瑠月と家へ帰り、リビングのドアを開けた瞬間……お母さんに「凛李と瑠月、ソファに座ってくれる?」といきなり言われた。
ソワソワしながらも私と瑠月はソファに座り、向かいのソファにお母さんが座る。