無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「なに……?」
「被ったまま両手で持ってて」
「でも、歩きにくいんだけど……」
「いいから」
あきらかに不機嫌な声。
もうどういうこと⁉︎
なんで私は怒られてるの……?
私たちはさきほど敷いたレジャーシートとテントがある場所へ着いた。
「俺らポテトとから揚げにしようかと思うんだけど、どうする?」
刀夜くんにそう聞かれ、善は「俺も刀夜と同じでいい」と答える。
私も瑠月に同じように聞かれ、なんでもいいので「瑠月と同じでいいよ」と答えた。
「じゃあ、俺らで買ってくるからここで待ってて」
「俺と爽馬も同じでいいから待ってるわ〜」
一条くんと日下部くんもそう言ってレジャーシートに座ろうとした瞬間、2人は刀夜くんに腕をつかまれ強制的に立たされた。
「雪と爽馬は行くんだよ。こんな大勢の食べ物俺と瑠月の2人で運べるわけねぇだろ」
「あっ、たしかに!じゃ、行ってきまーす!」