無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
うっすら目を開け、言われるがまま腕を伸ばすと……善は私にパーカーを着せ始めた。
え⁉︎え⁉︎今度はなに⁉︎
なんでこの人はなにも説明せずに突然なにかをしだすの⁉︎
そして、手際良く私は着せられ……。
善はパーカーのチャックをゆっくりと閉めていく。
私の肌に善の手が当たりそうで当たらない危機的状況に、私の脈がかつてないスピードで速くなる。
いや、胸はさすがに……!
「じ、自分で閉められるから!」
胸に当たりそうで止めたようとしたが、時すでに遅し……。
善によって首元までチャックをしっかりと閉められた。
幸い胸に当たることはなかったけど、未だかつてこんなにドキドキしたことはない。
緊張しすぎて息をするのを忘れていた……。
思わず、心臓が飛び出るかと思った。
「これは、どういうこと……?」