無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「え?ほんとにイチャイチャしてたのか?」
目を丸くする刀夜に善は……。
「ヒミツ」とドヤ顔で言った。
「いやいやっ、してないからっ!」
「凛李、そうやって必死になるほうが逆に怪しがられるよ」
「そうなのっ⁉︎って、本当にイチャイチャなんてしてないじゃない!」
私が全力で否定しても……そのあとしばらくからかわれた。
私の反応を見て楽しんでる善は、なにがしたいのかまったく読めない。
……でも、善にかわいいと言われて素直にうれしかった。
初めて女の子に生まれてよかったなと思えたかもしれない。
……たとえ、それが私を励ますための言葉であったとしても、善から言われたというだけで価値があるような気がした。
そんなこんなで、友達との初めてのプールは意外にも楽しく終わった。