無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
私はすごく似合ってると思うんだけどなぁ……。
なんて思いながら私はメニュー表に書いてあるおすすめのアイスティーを、瑠月はアイスココアを頼んだ。
善がメニューを伝えに戻ると、そこへ女の子の店員が来た。
赤みのある茶色いショートヘアで、ふわふわとゆるく巻いてある。
善の背が高いからかその隣に並ぶ女の子は小柄に見え……小さな顔に大きな目、近くなくてもわかるぷるぷるの唇が特徴的。
……瑠月と張り合えるくらいかわいい女の子を初めて見たかもしれない。
その子は笑顔で善に話しかけ、善は相変わらず無表情のままだけどその子となにやら話をしている。
仲よさそうだなぁーー。
私の知らない善を見た気がして、少しモヤッとした。
それから少しして、その女の子がテーブルから下げたコップをおぼんから落としてしまい1つ割ってしまった。
「すみません……!」
ひたすら周りのお客さんたちに謝る女の子。