無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

……そこで、お母さんから突然の報告を受けた。



「実は、お母さんの友達夫婦が旦那さんの転勤でアメリカに行くことになっちゃってね。凛李と瑠月と同い年の息子がいるんだけど、その子を預かることになったの」

「どういう……こと?」



突然のことに頭を整理できない。



「友達夫婦が帰ってくるまでの間、うちでいっしょに暮らすってこと」

「うそでしょ?」

「なにそれ、おもしろそうー!」



不安な私とは打って変わって嬉しそうな瑠月。

いくらお母さんの友達夫婦の息子さんだからって、男の子なんでしょ?
普通は年頃の娘といっしょに暮らすとなったら親としては心配なんじゃないの……?



「お母さん、それってもう決まったことなの?」

「そうよ。次の日曜日に引っ越してくるから」

「えっ⁉︎そんな急にっ⁉︎」

「大丈夫よ。その子すごくイケメンだから」



いやいや、イケメンだからって一体なにが大丈夫なのよ……。


私はそれから不安だらけの日々を過ごした。

そして、いよいよその日は訪れた。

アメリカに行く前ということで、お母さんの友達夫婦もいっしょに挨拶をしにきた。

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