無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
善の考えてることがますますわからなくなりながら……そのあと、瑠月の買い物に付き合うことにした。
それなのに……さっきの女の子が頭に浮かんで消えてくれない。
思考を邪魔してくる。
今までに感じたことのない感覚だ。
ーーそんなこんなで夏休みも明け、新学期が始まった。
その日も善はバイトで、お昼を食べてすぐに家を出て行った。
バイトの日は基本的に夜の8時半過ぎにはいつも帰ってくる。
……はずなのに、善は9時になっても帰ってこない。
帰ってる途中で誰かとばったり会ったのかも。
前に帰りが遅くなることがあったときはまったく気にならなかったのに……。
さすがに心配になったお母さんが私に連絡してみてと言ってきたので、私は善に連絡しようとするが連絡先を知らないことに気づく。
瑠月にそれを伝えると、瑠月が刀夜くんから電話番号を聞き出してくれた。