無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
きっとあのかわいかった女の子だよね。
バイト帰りに家まで送るほど仲がいいんだ……。
あれ……またイライラしてきたぞ……。
どうしたってこの気持ちだけは理解できない。
……このままじゃ、大好きな勉強にも集中することができない。
ーーということで、1番近くにいる瑠月という恋愛マスターにこの感情を聞いてみることにした。
「え?それ、恋でしょ」
今の私の気持ちをすべて話し終わると、瑠月は開口一番そう言い放った。
「恋⁉︎」
「自分以外の女の子といることにヤキモチ焼いてるんでしょ?」
「や、ヤキモチ……⁉︎私が⁉︎ありえないありえない!」
「そうやって必死に否定する時点でもう認めてるのと同じだよ。柊木くんのことが好き……なんでしょ?」
瑠月にそう言われ、私はすぐに返事ができなかった。