無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
私は勇気を振り絞り、「……峰本さんって、この前バイト一緒だった人?」と聞いてみた。
「そう。峰本の家の近くで不審者が出たってウワサがあったらしくて、店長が送ってやれって」
「あ、そうなんだ……それはたしかに心配だもんね」
店長が強引に善に峰本さんを家まで送らせたってこと?
善が進んでやったわけじゃないってこと?
なぜか、そう考えることで自然と自分の気持ちが落ちついた。
「……なんで?」
「え?」
善はソファに頭を預けてこちらを向いた。
「そうやって俺について聞いてきたことなんて今までなかったじゃん」
「……そ、れは……」