無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
ーーそんなとき、扉が開く音と「お風呂空いたよー」と瑠月の声が聞こえ、私はとっさに腕を振りほどいた。
「風呂行ってくる」
善はそう言って、お風呂場へと行ってしまった。
瑠月に手首をつかまれていたところを見られていたらしく、私は問い詰められた。
とりあえず、今あったことを全部話してみた。
「もうさ、完全に柊木くんのこと好きだよそれ」
完全と言われてしまい、もう逃げ道が残ってない……。
「どのくらいの確率で……?」
「100%だね」
「私、善が女の子と遊んでないって知ってすごくうれしかったの」
「はい、もうそれは独占欲だね」
「独占欲……?」
「私だけを見て!私を好きになって!って思ったりすること」
「……当てはまるかもしれない……」
最初は、こんなにかっこよくてモテモテな人は住む世界がちがうだろうと勝手に距離を置いていた。
彼女ではない人たちとキスしてるのを知り、がっかりしたこともあった。