無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
背が高く整った顔立ちから、学校中の女の子たちがよく話しているのをいやでも耳にする。
私はクラスも違えば話したこともないけど、きっと柊木善のことを知らない生徒はいないだろう。
そのくらい目立つ存在だ。
そんな人がどうしてうちに……?
「まさか、あなたが今日からいっしょに住む息子さん……?」
なにも考えてないんだろうか。
私の質問に顔色ひとつ変えない。
「よろしく」
柊木善はそれだけ言って、私を通りすぎた。
……それだけ?
質問してるんだから、はいとかそうですとか普通は言わない?
この人たしかに顔はかっこいいしモテるのかもしれないけど、性格は難ありだな……。
柊木善の後からリビングに行くと、すでに私の両親、柊木善の両親、瑠月で話をしていた。
姿を現した柊木善を見た瑠月は驚く。
なぜなら、瑠月の彼氏の刀夜くんと柊木善は1番仲がいいからだ。
刀夜くんと柊木善はツートップで学校で目立つ存在。