無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
自分でもそんな質問をしたことに驚きを隠せない。
「似合ってるけど、いつものほうが俺は好きかな」
善のストレートな言葉に、わかりやすく照れてしまう。
「みんなはね、こっちのほうがかわいいって言ってた」
「……凛李は、俺とみんなの言ってることどっちが大事なの?」
「……え?」
「俺がかわいいって言ってるんだから、それでいいと思うんだけど……ちがう?」
メイクをしてだいぶましになる程度の私を、そこまで褒めてくれるのは善だけ……。
「俺は、凛李本体が好きだから」