無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

自分でもそんな質問をしたことに驚きを隠せない。



「似合ってるけど、いつものほうが俺は好きかな」



善のストレートな言葉に、わかりやすく照れてしまう。



「みんなはね、こっちのほうがかわいいって言ってた」

「……凛李は、俺とみんなの言ってることどっちが大事なの?」

「……え?」

「俺がかわいいって言ってるんだから、それでいいと思うんだけど……ちがう?」



メイクをしてだいぶましになる程度の私を、そこまで褒めてくれるのは善だけ……。



「俺は、凛李本体が好きだから」

< 88 / 390 >

この作品をシェア

pagetop