無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。

私は善の数は後ろを歩いて、仕方なく一緒に学校へ行くことにした。

駅からは離れて歩けば誤解されることもないだろう。



「昨日のコスプレもう着ないで」



ずっと無言だった善が、駅のホームに着いた瞬間そう口を開いた。



「濃いメイクも禁止」

「……メイクも?」

「昨日みたいに変な虫が寄ってくるだろ」



変な虫って……昨日みたいな男の子のこと?

まだ私のことを心配してくれてるの……?
それって、私のことが好きだから……?

嬉しくて思わず頬が緩んでしまいそうになる。


それにしても、私の顔を凝視する善は今日もあざとさ100%だ。

こういうときに女の子らしい反応ができるような人に生まれたかったな……なんて。



「……うん。あのね、今日は教室の中の担当だから着ないよ」

「でも、なんかあったらすぐに俺に連絡しろよ」

「いやいや、普段のこの地味な格好で声かけられるはずな……っんんっ」



善に手で口をふさがれてしまったので、最後まで言い切ることができなかった。

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