無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
そのあと私と善は一緒の電車に乗り、駅から高校までの道を離れながら歩いた。
特に怪しまれることもなく学校に到着し、さっそく……文化祭2日目が始まった。
1日目よりも一般のお客さんがたくさん来てくれたので、さらに校内はにぎわっていた。
教室でスタンプラリーを案内する担当の時間が午前中で終わったので、私は紀衣ちゃんと校内を回ることに。
紀衣ちゃんは肩より少し長いきれいな黒髪で、帰ってからも予習復習をかかさない真面目な性格。
話し方も落ちついているので、居心地がいい私の唯一の友達だ。
そんな紀伊ちゃんと、出店がたくさんある中庭を歩いていると……目の前からある人が慌てたように人ごみの中から私のほうへと走ってきた。
ある人とは、白と黒でレースがたくさんあしらわれたメイド服を着た瑠月。
瑠月の近くにいる人のほとんどが瑠月のことを二度見していた。
さすが自慢の妹……今日もずば抜けてかわいい。