無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「柊木くんと同じバイト先のかわいい子いるじゃん!名前なんだっけ?」
「峰本柚胡さん?」
「そう!その峰本さんと柊木くんがさっき一緒に歩いてたよ!」
峰本さん文化祭に来てたんだ……。
善に会いに来たってこと……?
「でも、私には関係ないから……」
「そんなことないと思うけど?」
瑠月は私の耳に顔を近づけて、こう言った。
「そのあと、峰本さんと一緒に来てた友達が話してたの聞いちゃったの。"柚胡の告白上手くいくといいね〜!"って言ってたんだよ」
え……告白……?
峰本さんも善のことが好きなんだ……。
「凛李、いいの?」
「……」
「柊木くんのこと好きなんでしょ?もし、万が一2人が付き合っちゃってもいいの?」
「でも、私が行ったところで……」
「そんなの行ってから考えればいいよ!とにかく、行きなさい!」
はっきりしない私に、喝を入れる瑠月。
瑠月に初めて怒られたかもしれない。