無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。
「えっ⁉︎凛李ちゃん、好きな人いたの⁉︎」
紀衣ちゃんに善のことを話すタイミングがなかったので、同居していることと好きなことを紀衣ちゃんは知らない。
「紀衣ちゃん、あとでちゃんと話すから、少しだけ行ってきてもいいかな……?」
「もちろん行ってきていいよ。その代わり、あとで詳しく聞くからね?」
「ありがとう……!」
私は紀衣ちゃんと瑠月を残して、とりあえず善がいそうなところをくまなく探した。
告白をするとしたら、きっと静かな場所を選ぶはず……。
そう思って、空き教室を順番にのぞいていく。
ーー図書室の扉が少しだけ開いているのが気になり、中を見てみると……そこには善と峰本さんがいた。
窓側に向かいあって立っている2人。
なにを話しているのか気になってしまい、耳を澄ませてみると……なにかを話している。