バースデーカード
「それなら俺のところにも届いた。同じく捨てたけど」


ゲームから視線を外し、ハガキを確認して幹生は言う。


あたしたち7人は互いの目を見かわせた。


ここにいる全員が同じハガキを受け取っているみたいだ。


「もしかして、C組全員に送られてきてるのかな?」


若菜が言う。


そうかもしれない。


だとしたら、ハガキを送ってきたのもC組の誰かかも。


「他の子にも聞いてみようか」


あたしはそう言うと、近くにいた田中君に声をかけた。


田中君はサッカー部に所属していて、1年生ながらに好成績を残している生徒だ。


誕生日会には必ず呼ばれそうなタイプ。


しかし、田中君にハガキは届いていないという。


他にも3人ほどのクラスメートに声をかけたけれど、ハガキが送られてきた生徒はいなかった。


「俺たち7人だけに送られてきたってことか? 俺らの共通の友達って誰だっけ?」


紀一が首をかしげている。


共通の友達は何人かいるかもしれないが、その子たちが出したとも限らない。


「あたしたち目立つグループだから誰かがイタズラしたんだよ」


千秋が体をくねらせてあくびをしながら言ったのだった。
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