バースデーカード
『ひと先ずは大丈夫そうですが、安静にしていたほうがいいでしょう』


この場で簡単な説明をしてから、医師は両親を連れて部屋を出ていってしまった。


途端に一人になって心細さが襲ってくる。


昨日の夜苦しくなったことを思い出して、涙が滲んできた。


またあんな風になるのかな?


苦しくなって、呼吸ができなくなったらどうすればいいんだろう?


でもここにはお医者さんがいるから、きっと治してくれるんだよね?


色々な疑問が浮かんできては消えていった。


それからお母さんが戻ってきて、ずっと俺と一緒にいてくれた。


そしてお昼になったときだった。


お父さんと一緒に新が来てくれたのだ。


新は俺とおそろいのランドセルを背負い、ニコニコと上機嫌で病室に入ってきた。


その姿を見てハッとした。


『今日から学校だった!』
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