バースデーカード
スッと通った鼻筋にきめ細やかな肌。


それを見ているだけであぁ、好きだなぁと感じる。


「これから、ちょっと遊んで帰らないか?」


「い、いいよ。どこに行く?」


ぎこちない会話を続けながら2人並んで教室を出る。


いつもより近い距離間に緊張は増すばかりだ。


「学校の近くに新しいクレープ屋ができただろ。行ってみたいんだけど、男1人じゃ行きにくくてさ」


「そういえばできたね」


それにしても、誘うならあたしじゃなくてもよかったはずなのに、どうしてあたしなんだろう?


そう思っても、質問する勇気はない。


特に意味なんてないかもしれないし。


2人して学校を出て歩いていると、だんだんと緊張もほぐれてきた。


目的のクレープ屋に到着すると、店内はほとんど女性客で埋まっていた。
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